#022 コロナ禍後の米国で感じたクレカ利用時の変化


コロナ禍以降初めて米国を1週間の日程にて訪問しました。

以前に「日米クレジットカード制度の比較」という記事(https://note.com/yamada_nick/n/nf567b07fef04)を投稿したことがありましたが、今回は米国でのクレジットカードの日用使いに関してコロナ禍後の変化についての報告です。

尚、今回訪問先は私が数年前まで長年に渡り居住していた米国南部ではなく、西海岸シリコンバレー地区です。

よって今回の短期訪問にて感じたことをして米国全体が同じように変化したとはもちろん語れず、その点は差し引いて頂ければと思います。

先ず感じた変化は、食事や買物後にカードを店員に手交するのではなく日本と同様に本人が直接操作する方法が主流になっていたことです。

ただし日本では利用客がカードリーダーに差し込むのに対して、私が利用した店舗では軽く浮かしてタップする方式を多く見かけました。

これにより店員はお客のクレジットカードを、お客はカードリーダーに一切接触しないで決済することかできます。

しかし非接触型カードは近づけるだけでカード内に埋め込まれた情報が読み取れてしまうために、混雑した場所でのスキミング被害に遭う危険性が高まります。

従って、カードから発信される微弱な電波を遮断するRFID(= Radio Frequency Identification) Protection Walletなるものも売っていて驚きましたが、帰国後に調べてみると「RFID財布」は日本でもAmazonなどで既に販売されており、自身の情弱ぶりを嘆きました。

さて、コロナ禍前のクレジットカード利用と比較して最大の変化と感じたことは、利用客の要求がない限りカード利用控えのスリップをもらえなくなっていたことでした。

これも非接触が目的なのでしょうが、控えコピーなしに複数店舗でクレジットカードを利用すると自分の合計出費額を把握できなくなりますし、そもそも正しい利用金額がチャージされているのかすら不安になります。

しかしその不安が杞憂で終わったのは、スマホに入れているクレジットカードのアプリに1分も経たないうちに利用履歴が反映されて、そこで記録を即座に確認することができるからです。

実際に私も米国で発行された現地米ドル預金にひも付いたクレジットカードを利用していたのですが、直ぐに反映されてきました。

参考まで、帰国後に日本発行のクレジットカードを日本国内で利用後どの位のタイムラグでアプリの利用履歴に反映されるかを実験してみました。

その結果は、少なくとも私が利用しているカードでは早くても数時間、遅いカードだと数日かかるケースがあり、カード利用時に「控え」を手渡されないと心配な状況です。

ところで米国慣れしていて且つ最近はコロナの影響で渡米の機会がない方は、「紙のコピーなくしてレストランでのチップ精算はどう処理するのか?」という疑問を持つことでしょう。

その答えは、これも個人的には驚きだったのですが、精算時に「チップは18%?20%?22%?それとも任意の金額?」というメッセージが出てきて、そこからタップして選択するということでした。

私の少し前の常識では、米国のレストラン等で普通のサービスならば15%、とても良ければ20%、酷いと感じたら抗議の意味を込めてゼロから数%を臨機応変に書き入れる事だったのですが。。

もちろん「任意の金額」を選択して15%とすることも可能ですが、店員からは「面倒くさい人」との視線を浴びますし時間もかかります。

そしてまた日本の「松竹梅戦略」ではありませんが、18、20、22%の三択を示されて最低の18%を選ぶことや、ましてや任意を選択して15%とすることには心理的抵抗感も出てきます。

よって今回、一般旅行者で小心者の私は真ん中の20%を選んでいたのですが、コロナ禍に便乗したこの「選択制チップ値上げ戦略」が米国を覆う歴史的インフレの一因となっていることに間違いありません(笑)。

追記:

以前「アメリカのラーメン3,000円」のネット記事を読んだことがありましたが、街の外看板メニューを見る限りその通りでした。

訪問時の為替は1ドル130円程度でしたが、ラーメン1杯15~20ドルでしたのでチップとSALES TAXを併せて30%とすると3,000円前後となります。

またファーストフードでのセットメニューは税込みで11~12ドルでしたので、1,500円前後というイメージです。

異常なのは高すぎる米国か、それとも安すぎる日本なのか、購買力平価的な価格調整は今後二国間でどのような地殻変動を以て決着していくのでしょうか?

バラマキの結果としての日本国債発行残高の異常な膨張とそれを支える日銀財政ファイナンスを強く憂う「常識人」の私にはその結末が見えるような気がします。

2023年02月24日